◇ 八岐大蛇
高天原(たかまがはら)を追われた素戔鳴尊は、出雲の国 簸(ひ)の川の川上で嘆き悲しむ足名椎・手名椎老夫妻と奇稲田姫に出会う。その訳を尋ねると、七年間に七人の姫を大蛇に取られ、一人残った奇稲田姫も今夜、大蛇に取られてしまうと言う。
そこで素戔鳴尊は、大蛇の好むという酒を用意させ、酒樽の中に姫の姿を映し、大蛇に毒酒を飲ませ、酔いつぶれたところを十握(とつか)の剣で退治する。
大蛇の尾の中から出てきた剣を「天の群雲の剣(あめのむらくものつるぎ)」と名付け、天照大神(あまてらすおおみかみ)に捧げ、めでたく奇稲田姫と結婚するという物語である。 |